過バライ金を頼むなら大手?弁護士?司法書士?徹底比較

過バライ金の返還請求を依頼するには、弁護士事務所に行って相談すれば良いと考える方が多いですが、必ずしも弁護士事務所が適切であるとは限りません。
日本には、弁護士や税理士など様々な法律の専門家がいますが、その中に司法書士と呼ばれる専門家がいます。

返還請求においては、弁護士だけではなく司法書士にも依頼することができ、場合によっては司法書士に依頼した方が適切な時もあります。
そこで、過バライ金返還請求の際に弁護士に相談するのが良いか、それとも司法書士に依頼するのが良いのかについて、詳しく解説していきます。

【弁護士と司法書士の違いは何?】

【弁護士と司法書士の違いは何?】
過バライ金の返還請求は、弁護士・司法書士のどちらにも依頼することができますが、どちらに依頼しても一緒というわけではありません。

返還請求額によってどちらを選ぶかが変わってきます。

まずは簡単に弁護士と司法書士の違いについて確認しておきましょう。

①弁護士とは?

弁護士とは?
弁護士の主な業務は、当事者からの依頼や官公省からの依頼を受けて、訴訟(裁判)・非訴訟事件を独占的に行う法律の専門家です。
裁判が主な業務となりますが、裁判にも民事裁判・刑事裁判があり、その内容も複雑なものもあれば凶悪事件もあり、多岐にわたっています。
また、裁判で徹底的に争う場合もあれば、なるべく短期間に解決できるよう示談交渉をすることもあります。

関連リンク:弁護士とはどんな仕事?(日本弁護士連合会)

②司法書士とは?

司法書士とは?
司法書士の主な業務は、

①登記書類の作成と手続きの代行
②供託(他人が払わなければならないお金を国が代理で受け取る制度)に関する書類の作成と手続きの代行
③裁判所や法務局、検察庁などに提出する訴状や告訴状などの作成

などを他人から依頼され行います。
また、規制緩和により最近では、法務大臣の認定を受けた司法書士が、制限付きで裁判や示談交渉を行えるようにもなっています。

関連リンク:司法書士とは?(石川県司法書士会)

過バライ金返還請求における弁護士・司法書士の違い

司法書士とは?
返還請求においては、請求する過バライ金の額によって弁護士に依頼するか、司法書士に依頼するかが決まってきます。

①司法書士に過バライ金返還請求を依頼するケース

司法書士に過バライ金返還請求を依頼するケース
司法制度改革によって、司法書士も法務大臣の認定を受けることで、条件付きで弁護士のように裁判業務や示談交渉の代理業が行えます。

その条件とは、簡易裁判所が管轄する裁判業務に限るというもので、過バライ金返還請求においては、「過バライ金の請求額が140万円以下」であることが条件となっています。

過バライ金の請求額が140万円以下であれば、司法書士が和解交渉・過バライ金返還裁判のどちらも代行してくれます。

しかし、返還請求額が140万円を超えていると、司法書士が代理で行える簡易裁判所の裁判でなくなるため、必要な裁判書類の作成は行いますが、裁判所や裁判を争う貸金業者との連絡などは、全て個人で行うようになります。

この裁判を「本人訴訟」といい、日本の民事裁判の約7割は本人訴訟によって裁判が行われています。
過バライ金返還請求裁判をする理由は、期間がかかっても良いから、払い過ぎた分の過バライ金を全額回収すること、更に過バライ金請求から回収までの期間にかかる利息も回収することが目的です。

従って、回収する過バライ金が140万円を超えてしまうと本人訴訟となります。
また、貸金業者によっては、専門家が相手ではないのを良いことに強気に姿勢に出てくる可能性があり、短期間での過バライ金100%+利息分の回収が難しくなるります。

②弁護士に過バライ金返還請求をするケース

過バライ金の回収額が140万円を超す場合には、弁護士に依頼することで全ての業務を弁護士事務所で行ってくれます。
大阪・福島区の事務所によると、140万円を超える回収裁判は、簡易裁判所から地方裁判所に移して行われるようになります。
140万円を超える裁判においても、本人裁判と代理裁判(弁護士が行う裁判)があり、司法書士は代理裁判が行えないのに対し、弁護士は代理裁判も行うことができます。
では、弁護士は140万円以下の簡易裁判においては、回収の依頼をしても受けてくれないのでしょうか?
弁護士は、回収額が140万円以下の裁判であっても、本人裁判・代理裁判のどちらの依頼も決して受けないわけではありません。
ただ、現在の民事裁判の7割は、弁護士を立てない本人裁判で行われており、過バライ金の回収額が数十万円程度の裁判では、司法書士に必要な書類作成を依頼して当事者同士が裁判を行うのが一般的になっているのです。
弁護士を立てて回収裁判を行うことは、それなりに弁護士費用も掛かってきます。
また、裁判期間が長引けばそれだけ弁護士費用も加算されていきます。
過バライ金回収額が20万~30万円であるのに弁護士を立てても、過バライ金を回収する意味がなくなってしまいます。
こうした理由から、弁護士に回収裁判を依頼する場合には、過バライ金が140万円を超えた場合が適しているわけです。

自分の過バライ金が140万円を超えるかどうかを知るためには?

自分の過バライ金が140万円を超えるかどうかを知るためには?
過バライ金回収裁判で、弁護士に依頼するか司法書士に依頼するかを選択するには、まず自分の過バライ金がいくらなのかを正確に把握していなければなりません。
自分に過バライ金が発生しているか、また過バライ金の額がどのくらいなのかを知るためには、過バライ金を請求する取引先の業者に取引履歴の開示請求をします。
すると、しばらくして業者から取引履歴が送られてくるので、それを基に過バライ金の引き直し計算を行います。
引き直し計算とは、過バライ金の正確な金額を知るために行う計算で、現在ではインターネットの無料ソフトなどで簡単に計算をすることができます。
もし、自分で取引履歴の開示請求をしない場合には、大阪・福島区の事務所でも手続きを行ってくれるので、一度相談してみると良いでしょう。

司法書士へ過バライ金回収裁判を依頼後に140万円を超えていたら?

司法書士へ過バライ金回収裁判を依頼後に140万円を超えていたら?
過バライ金回収の法律に詳しくないと、過バライ金裁判における140万円超の制限についてまでは、依頼者が把握していることは少ないです。
そのため、すぐに司法書士に過バライ金回収を依頼する方も多いです。
では、司法書士に過バライ金回収の裁判を依頼した後に、自分の過バライ金が140円を超えていることに気付いた場合、その後の手続きはどうなってしまうのでしょうか?
大阪・福島区の事務所でもこのようなパターンはよく発生します。
過バライ金の回収額が140万円を超えていた場合には、それが分かった時点で、司法書士の過バライ金回収裁判の代理権は自動的に消滅してしまいます。
このような場合には、その後どのように過バライ金回収を進めていくのかについて、依頼者には2つの選択肢から選んでもらうことになります。
・選択肢①:司法書士から弁護士に担当を変更する
司法書士事務所への依頼をキャンセルして、弁護士事務所で過バライ金回収裁判を依頼する方法です。
弁護士が過バライ金の裁判を担当してくれれば、過バライ金の金額に関係なく進めることができるようになります。
過バライ金裁判の引き継ぎについては、司法書士事務所が同等レベルの過バライ金裁判を多く取り扱っている弁護士事務所を紹介してくれることもあり、ほとんどのケースで問題なくスムーズな引継ぎがなされています。
こうした件においても、大阪・福島区の事務所では丁寧に対応してくれます。
・選択肢②:本人裁判に変更する
過バライ金が140万円を超える場合でも本人裁判を行うことが可能です。
その際には、司法書士にそのまま依頼し続けることが可能です。
裁判に関する必要書類の作成においては、司法書士は過バライ金の金額に関係なく作成することが可能であるため、弁護士に切り替える必要はありません。
本人裁判(本人訴訟)では、地方裁判所との連絡の取り合いや、過バライ金の請求先との返還交渉は全て自らが行うようになり、司法書士はあくまで必要書類の作成のみで、その他のサポートは一切できません。
過バライ金に関する本人訴訟では、過バライ金に関する法律の知識が無いと、回収できる過バライ金の額が大幅に減ってしまう可能性があります。
というのも、過バライ金を請求する貸金業者の中には、対応する人物が弁護士や司法書士などの法律の専門家であるか、法律には疎い素人であるかによって、過バライ金請求に対する応対も大幅に変えてくるとことがあるからです。
具体的には、過バライ金裁判で弁護士と争う場合には、よほど依頼者の返済状況が悪くない限り、勝ち目はないとして比較的素直に、依頼者の過バライ金返還要求に応じる姿勢を見せます。
しかし、争う相手が依頼者個人だと分かると、過バライ金返還には応じるもののすぐに対応しなかったり、回収までの期間を延ばしてみたり、回収額の減額を求めるなど、様々な抵抗をする場合があります。
従って、過バライ金の回収額が140万円を超える場合には、なるべく弁護士事務所に相談するようにしましょう。

過バライ金請求は行政書士でもOK?

過バライ金請求は行政書士でもOK?
法律に関する業務を担当する専門家においては、素人の場合その違いがよく分からないということがあります。
例えば、司法書士と行政書士の違いです。
過バライ金請求においては、司法書士でなく行政書士に依頼することも可能なのでしょうか?
そもそも、行政書士とは依頼者からの依頼を受けて、官公署に提出する認可申請書を作成したり、その書類の提出手続きを行ったり、更には、遺言書などの権利書類や契約書の作成、行政不服申立手続の代理など、様々な認可・行政に関する代理業務を行います。
行政書士が官公署に提出する書類を正確に短期間で作成することで、依頼者の生活上に権利なども短期間で守られることになります。
現在の日本では、起業するには様々な申請書を準備する必要があり、それらの書類を記入漏れ・記入ミスなく記載して、漏れなく提出しなくてはなりません。
しかし、申請・認可内容によってはとても複雑で、素人ではよく分からないものも多く存在します。
こうした時に、行政書士がサポートし、短期間の認可・許可申請が行えるようになります。
司法書士と行政書士の違いとしては、司法書士が法的書類の作成や登記に関する専門家であるのに対し、行政書士は認可・許可など行政書類に関する専門家となります。
また、書類の提出先にも違いがあり、司法書士が法務局や裁判所、検察庁などに対し、行政書士は各地方の役所などです。
過バライ金請求に関しては、行政書士よりも司法書士の方が専門分野となります。
ですが、行政書士が過バライ金請求を行えないわけではありません。
最近では、過バライ金請求を行う行政書士事務所も増えてきています。
ただし、司法書士と同様に裁判における140万円超の壁が存在するため、全ての業務を行えるわけではありません。
従って、過バライ金請求に関しては弁護士または司法書士に依頼することをおすすめします。

過バライ金請求を依頼する際の事務所選びのコツ

過バライ金請求を依頼する際の事務所選びのコツ
請求はいつでもできるわけではありません。
請求できる期間が決まっており、その期間を過ぎてしまうと時効となり、過バライ金請求ができなくなる可能性が高くなります。
過バライ金が請求できる期間としては、借金を完済した日から原則10年と決まっており、その期間を過ぎてしまうと請求することができなくなります。
過バライ金請求を事務所に依頼する場合には、請求期間の時効が間近に迫っている状況でも、スピーディーかつ満足のいく過バライ金回収を行ってくれる事務所を選ぶことが大切です。
そこで、短期間で満足のいく過バライ金回収をしてくれる事務所選びのポイントをご紹介します。

1.過バライ金請求の短期間解決に実績があるか

過バライ金請求においては、依頼者によっては返済が困難となり任意整理を行っている方、または現在も返済中である方、過バライ金請求期間の時効が迫っている方など、様々な事情を抱えている場合が多く、場合によっては任意整理を行う必要があります。
任意整理を行えるのは、弁護士と司法書士だけとなっています。
また、弁護士・司法書士によっても、過バライ金請求を得意としているか得意でないかによって、回収までの期間に差が出てきます。
過バライ金請求を専門としている事務所では、相手の貸金業者がどのような対応をするのかも把握しているため、回収までの期間も短く、高い回収率で解決してくれます。
このような理由から、短期間でも回収に実績のある弁護士・司法書士事務所を選ぶようにします。

2.任意整理(債務整理)を専門に扱っているか

事務所によっては、任意整理を得意としていないところもあり、過バライ金回収までに時間が掛かる場合が考えられ、挙句の果てには事務所を変更する羽目にもなり兼ねません。
このような状況にならないためにも、任意整理にも実績のある事務所を選ぶようにしましょう。

3.弁護士・司法書士報酬は良心的であるか

最近、よくテレビでも過バライ金請求のCMを行っている事務所を見ますが、こうした大手事務所は高額な広告費を成功報酬などに盛り込んでいることが多いです。
そのため、他の事務所と比較しても報酬が割高となっている場合があります。
そのため、他の事務所よりもとびぬけて割高であったり、報酬内容が複雑な事務所は避けるようにしましょう。

4.最初から弁護士・司法書士が対応してくれるか

過バライ金請求を受ける場合は、必ず依頼者であることの本人確認が必要で、事務所との面談によって行われるのが一般的です。
しかし、事務所によっては面談時の対応を事務員が行い、最後の数十分間のみ弁護士が対応するというところがあります。
こうした事務所では、弁護士と依頼者の間で共通の意志相通がなされていない場合が多く、後々何らかのトラブルが起こったりします。
そのため、面談の最初から担当の弁護士・司法書士が対応してくれる事務所を選びましょう。

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