アコムでの過バライ金返還のメリット・デメリット




借金返済後、払い過ぎた利息分が返金されるシステムを過バライ金と言います。多く払い過ぎた利息分が返金されることはとても喜ばしいことではあるものの、実際に過バライ金は本当に返済されるのでしょうか。今回はキャッシングアコムに対して過バライ金返済をした際どのような取引が行われるのかについてスポットを当てて話していくと共にメリット・デメリットについても詳しく説明していきます。

過バライ金を請求するとなると素人では何から手を付けていいのかわからないことも多いのではないでしょうか。取引履歴の請求や過バライ金請求書の送付など自分でやるとなるとかなり手間と労力がかかってしまいます。そこで役立ってくれるのが弁護士なのですが、弁護士に依頼するとなるとやはり気になるのはその費用。今回は弁護士に依頼した際のメリットとデメリット、独学で自分で請求した場合のメリットとデメリットについて詳しくご説明していきます。

債務Lady

弁護士に依頼した際のメリットとデメリット

結論から言いますと、アコムに過バライ金請求をした人の返還率はほぼ100%です。弁護士を通す最大のメリットはこの返還率にあると言えるでしょう。実際にアコムに対して過バライ金請求したAさんを例にそのメリットとデメリットについて考えていきます。

Aさんが実際に獲得した過バライ金は21万円。弁護士に依頼をし和解交渉を行いました。アコムからの過バライ金返還までの期間は約7カ月で返還率は99%。弁護士に依頼していることもあり、弁護士費用が4万9,078円かかりましたので、差し引きしてAさん本人が受け取った金額は16万922円となります。

Aさんは完済済みの借金に過バライ金があることを知り、自分なりに過バライ金について調べてみることから始めました。インターネット上で過バライ金シミュレーションを行い、そのサイトで見掛けた法律事務所に一度相談しましたが対応に納得せず、不信感を持ってしまいます。相談のつもりで電話しただけなのに、契約するかのような話し振りと契約費用が高く感じた為、その事務所に依頼することはありませんでした。その後、他の法律事務所を調べてみたところ気になる場所を発見。その事務所に電話をしてみたところ、親身に話を聞いてくれたり疑問点についてわかりやすく答えてもらうことができました。その事務所に安心感を持つことができたので約束した日に訪問。その際契約も行うつもりだったので、最初から身分証明書・認印・振込先などの銀行口座がわかるものを持参。

約束した日に訪問すると弁護士から下記の説明を受けることになりました。
・アコムへの過バライ金請求の依頼をしている他の依頼者全員の手続きをまとめて行うこと
・依頼者とのやり取りはメールもしくは電話で行うこと
・事務所側からは途中報告は行わないが、随時質問は受付しているので不明点は聞けること
・スムーズに手続きが進んだ場合は、半年ほどで過バライ金が返還されること
・交渉がうまくいかなかった場合、訴訟となれば過バライ金の返還まで1年~1年半ほどはかかってしまうことがあること
・訴訟になった場合には別途費用がかかること
・費用は着手金と成功報酬、切手代、引き直し計算の外注費、振込手数料など雑費もかかること
街角法律相談所
上記のような話を説明されますが、実際に取り戻すことができる過バライ金の金額などには一切触れることはありませんでした。しかし、一度にメリットとデメリットについて説明してくれるので安心感が違います。弁護士との打ち合わせはこの1度のみで、所要時間は1時間ほど。その後は弁護士が過バライ金請求の手続きや交渉を行ってくれるので、依頼者は何もしなくて済みます。ここも弁護士に依頼するメリットと言えるでしょう。

弁護士に依頼してから報告メールが届き、Aさんの過バライ金が21万1,329円だということを伝えられます。そしてその金額を全額返還請求しているとの報告が行われました。そして、アコム側から和解案として「21万円を和解成立の3か月後に返還する」という旨の回答が出たのです。満額返還をする為には訴訟を起こす必要があると弁護士から言われたものの、訴訟を起こす方がデメリットが多いこともあって、アコムからの和解案を承諾し過バライ金の返還に成功しました。

次に返還された過バライ金から弁護士費用を払わなくてはいけません。21万円の過バライ金がアコムから法律事務所に振り込まれます。そして弁護士費用や雑費などを差し引いた後、Aさんの口座に振り込まれるようなシステムです。実際に振り込まれた金額は16万922円。約3分の1が弁護士費用として支払うことになり、これが弁護士に依頼するデメリット。

弁護士に依頼することによって弁護士費用が発生してしまうのが最大のデメリットではあるものの、依頼者は何もせずに待っているだけで済むので時間も労力もかからないことはメリットでもあります。少しでも得をしようと自分で行うより、弁護士に依頼して行った方が難しいこともなく過バライ金の返還も行ってもらえます。しかも過バライ金返還率は99%です。ただAさんの感想としては、アコムに対して複数の依頼者をまとめて過バライ金請求を行うこともあって、思っていた以上に時間がかかったことがデメリットと言っています。



法テラスを利用した際のメリットとデメリット

法テラスとは、法テラスと契約している弁護士や司法書士が30分程度無料で法律相談に乗ってくれるシステムです。現段階でお金がない人にとっては無料で相談に乗ってくれる助かるシステムでもあります。法テラスを利用して弁護士を紹介してもらい、アコムに対して過バライ金請求を行ったBさんを例にしてメリットとデメリットについて考えていきましょう。

Bさんは、アコムを含む4社に対して過バライ金請求を行いました。その中でもアコムに対して行った過バライ金請求について詳しくお話していきます。まず、Bさんが獲得した過バライ金の金額は25万6,000円で、過バライ金が返還されるまでの期間は約3か月です。弁護士に依頼してアコムとの和解交渉に成功し100%の返還率。

Bさんは過バライ金返還請求を行う段階でアコムに対して返済を続けていました。弁護士に過バライ金請求を依頼することでアコムに通知が届き、アコムからの請求をストップさせたいという願いもありすぐにでも依頼をお願いしたい状態でした。毎月の返済が苦しい状況の中、法律事務所の相談費用すら惜しいと考え、法テラスの無料相談会を予約し参加。法テラスは公的機関の為、その中の弁護士であれば信用できるのではないかと考えたからです。

法テラスの無料相談会に参加されたBさんが担当弁護士に聞かれたことを下記にまとめました。
・過去に利用した金融業者名について
・いつから借入を行っているのか
・月々の返済額について
・過去に過バライ金請求を行ったことがあるか
・延滞(大幅な)をしたことがあるか

これらの情報を元に、次にするべき手続きについての説明も行われます。
・過バライ金によって返還されたお金の支払い方法について
・弁護士費用について
・返還までにかかる期間について

30分の無料相談で一通り説明されたBさんは、弁護士に過バライ金請求の手続きを依頼することに決めました。実際にはもっと聞きたいことや確認しておきたいことがあったのですが、無料相談の時間を過ぎてしまうと別途料金が発生してしまうこともあり、あまり考えずに決めてしまいます。そして、一番最後に弁護士から「アコムへの返済は行わないでください。もしアコムから請求があった場合には弁護士に依頼していることを伝えてください」と言われました。この話を最後にアコムに対しての支払いは一切していませんし、アコム側からも督促の連絡はありませんでした。

Bさんは弁護士に依頼してアコムに対し過バライ金請求を行っているので、Bさん自身は何もする必要がありません。弁護士と会うのも法テラスで相談した時のみ。連絡すらも3回で終わっています。1度めの連絡は、引き直し計算が完了した段階でアコムに対しての過バライ金が25万6,000円だったことを伝える電話でした。そして、2か月後には「25万6,000円の過バライ金返還に応じる」とアコムから返答があったという連絡が2回目です。アコムへの過バライ金請求実績が高い弁護士に依頼したこともあり、過バライ金返還率は100%。アコム側からの過バライ金返還額の減額交渉はありませんでした。この連絡の数日後に「25万6,000円を返還する」という和解書がアコムから届き過バライ金返還請求に成功しています。

Bさんは、アコム以外の他の3社に対しても過バライ金請求を同時に行っていたので、そのすべての返還請求が完了してから振込になる契約でした。どちらもスムーズに手続きが進んだことから、法テラスで相談したその日から約3か月後にはBさんの口座に入金されています。法テラスで相談したことによって、過バライ金請求に強い弁護士が担当してくれたこともあり、様々な面でスムーズにいったことは最大のメリットと言えるのではないでしょうか。同じ弁護士でも、アコムに対しての過バライ金請求の実績があるかないかによっても差が出ますし、デメリットになってしまう可能性もあります。

また、依頼してから特に何もせずに待っているだけで過バライ金が返還されることもメリットと言えます。実際に一度相談会に行ったのみで、その後はどこにも出向かなくて済んでいます。時間や手間もかけずに過バライ金請求が行えるのは弁護士に依頼した最大のメリットと言えるのではないでしょうか。では、逆にデメリットはどうでしょうか。デメリットとして挙げることができるのは、やはり弁護士依頼料。実際に過バライ金が返還されたとしてもその3分の1は弁護士費用として取られてしまいます。デメリットを考えて自分で過バライ金を請求する方が良いのか、またはお金を掛けてもいいからプロに頼みたいという人もいるでしょう。どちらが良いのかは依頼者次第ということです。




独学で過バライ金請求した際のメリットとデメリット

独学でアコムに対して和解交渉をしたCさんの話を元にメリットとデメリットについて考えてみましょう。Cさんは、アコムに対して和解交渉をし、過バライ金返還率99%と高い数値を出しています。弁護士への依頼を行わずに、89万1,000円を返還してもらうことに成功。アコムから返還されるまでにかかった期間は約4か月。どのような方法でアコムに対して和解交渉を行ったのか、その方法について詳しくお話しましょう。

Cさんはアコムを含めて3社から借金がありました。ニュースなどで過バライ金請求の存在を知り、過バライ金を回収し残っている借金の返済に充てたいと考え思い立ちました。最初は弁護士に依頼してみようと考えていたCさんでしたが、いくつかの法律事務所に費用について問い合わせをしたところ、どこも返還額の50%~70%は弁護士費用として支払わないといけないと言われたのです。それではデメリットでしかありませんし、借金の返済に充てることができないと感じたCさん。独学で過バライ金請求について法律を調べ始めました。実際に独学で過バライ金請求を行った人のブログなどを参考に自分でもできると考えるようになり、一人で請求することに決めたのです。

Cさんがまず行ったのはアコムのお客様相談センターに連絡し、取引履歴を送ってもらうように伝えることから始めました。3日後には取引履歴が届き、アコムのカードは利用できなくなりました。取引履歴を郵送する際にアコム側が過バライ金請求を行う為に必要があると判断されたようでした。そして次に引き直し計算を行います。過バライ金請求体験ブログ主が計算ツールを無料配布していたこともあり、それの指示通り借入額、返済額、金利などの数字を入力。4年~5年分の取引があったので、3時間以上かかってしまいましたが、これで引き直し計算が終了。アコムで発生していた過バライ金は90万円だということもわかったので次の行動に出ます。
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Cさんが次に行ったのはアコムのお客様センターに連絡して過バライ金を請求したいことを伝えること。担当者からは引き直し計算書の提出が求められましたが、過バライ金請求書はアコムの場合は不要。アコムに郵送し、アコムに届くタイミングでお客様センターに再度連絡を入れます。担当者との1回目の交渉が始まり、アコム側からは「過バライ金の50%の45万円を返還する」と告げられますが、Cさんはそれに対して「100%の返還でなければ受け入れることはできない」と回答。1回目の交渉はお互いの意思を確認することで終了。

そして2回目の交渉が始まり、アコムの担当者との話し合いが行われるものの、1回目と同様の回答をされてしまいます。お互い一歩も引かない姿勢ではあったものの、アコムの担当者が上司に確認するということで2回目の交渉は終了。そして3回目の交渉で、和解案についての話し合いがもたれるものの、お互い平行線のまま一向に進みませんでした。このような交渉を続けること3か月、Cさんの考え方が変化していきます。100%の回収が難しいのであれば、多少は妥協しても良いのではと考えるようになったのです。これを転機に話はスムーズに進み和解成立。アコムから和解書の発送報告を受け、「翌月末までに89万1,000円を返還する」との和解書が届きました。アコムとの交渉を開始してから、約4か月で過バライ金返還を成功させています。

独学での過バライ金請求の最大のメリットは弁護士費用がかからないことです。実際に手間はかかるものの、そこまでの負担ではないことから独学で行う方がメリットが大きいように感じる人もいるのではないでしょうか。ただし、Cさんのケースのように誰でもうまくいくとは限りません。むしろデメリットもたくさんあります。例えば、和解成立する期間も担当者によっては長期間になってしまう可能性も大きいのです。独学で行う際のデメリットとしては、時間と手間がかかることですから、その点をフォローすることができればメリットの方が大きいようです。

では、改めて弁護士を通して行うメリットとデメリットについて簡単にまとめておきましょう。
(メリット)
・弁護士が面倒な作業を引き受けてくれるので依頼者は何もしなくても良い
・担当する弁護士によってはスムーズに和解交渉してもらえる
(デメリット)
・担当する弁護士が過バライ金請求の実績がなければ時間がかかってしまう
・法律事務所のやり方に従わなくてはいけない(早い解決を望んでいる場合にはデメリット)
・弁護士費用が高く、返還額の30%~50%と言われている(弁護士に依頼する最大のデメリット)

次に独学で請求する際のメリットとデメリットについてまとめておきます。
(メリット)
・弁護士費用がかからない
・自分の交渉次第で返還率が変わる
・自分のペースで行える
(デメリット)
・過バライ金に関しての法律を学ばなくてはいけない
・必要な書類を自分で用意しなくてはいけない(時間のない人には特にデメリット)
・交渉は一進一退
・人によっては交渉がうまくいかない可能性もある

弁護士に依頼する場合でも独学で請求する場合でもメリットとデメリットは発生してしまいますが、どちらも返還率で言えば特に差はありません。依頼者にとってデメリットの少ない方を選択することをおすすめします。




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